カミナリのツッコミ「どつき漫才」とは
幼馴染で遠縁でもあるボケのまなぶとツッコミのたくみのお笑いコンビ「カミナリ」。
カミナリの漫才の特徴は、出身地である茨城弁の訛りと、そのツッコミのスタイルから「どつき漫才」と称される。
まなぶが、ちょっとずれた天然っぽい語り口のボケを行い、いったん間を置き、少し遅れてからたくみが思いっきりまなぶの頭をどつき、「そういえばおめえ、◯◯だなっ!」と茨城訛り全開でツッコミを入れる。
身長が高く、がっしりした体格のまなぶの坊主頭を、背の低いたくみがツッコミをいれる、ということに加え、暖かい地方訛りの言い回しが絶妙な中和剤となり、この「どつき漫才」が成り立っている。
カミナリの特徴的なツッコミ
もともとカミナリは、結成当初の2011年から長らくコントを中心に活動し、キングオブコントに出場した経験もある。
その後、2015年のM-1予選をきっかけに漫才のネタを作成するようになる。
漫才を披露するようになってからというもの、カミナリは若手芸人のコンテストで優勝したり、他の芸人たちからも「噂で聞いたよ」と言われるなど評判に。
漫才に方言を混ぜるようになったきっかけは、事務所の先輩サンドウィッチマンのネタ台本を見ながら練習していたときのこと、標準語で漫才しようとしても感情が込められずにいた。
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ちょうどその頃、事務所の先輩である永野(カミナリは永野軍団の一員)に、茨城弁を隠さず出すこと、地元の友人を笑わせるようにやれ、というアドバイスを受け、普段通りの話し方で行うようになった。
どつきツッコミの起源は、茨城弁漫才誕生より少し前のこと。
カミナリがまだコントを行なっていた2014年、地元にもかかわらずウケが弱かったとき、アドリブで無言で思いっきりぶっ叩いたら、物凄い歓声の笑いが起こった。
石田 たくみ (カミナリ) : コントからどつき漫才に変えた理由
この時点では、まだ思いっきりどつく、というツッコミだけが存在し、時間差ツッコミはその後に生まれる。
ある舞台で、漫才中に、まなぶがずっと顎を出していたので、ネタの最後のほうで、「そういえば顎出てんなあ」とツッコミを入れた際、番組のスタッフに、「“そういえば◯◯だなぁ”って遅れてツッコミするのって発明だね」と言われる。
この思いっきりぶっ叩くというツッコミと、時間差で遅れてツッコミを入れる、という二つを組み合わせ、「そういえば◯◯だなぁ」というカミナリの「どつき漫才」が完成する。
石田「漫才中、まなぶくんがずっとアゴを出してて、僕が『そういえばアゴ出てんなぁ』と最後のほうにツッコんだら、ある番組のスタッフさんから、『“そういえば○○だなぁ”って遅れてツッコむって、発明だね』っていわれたんです」
竹内「あとで聞くと、その人も同じ茨城出身で」
石田「『革命』とまでいってくれたね(笑)」
竹内「そう。で、どつくというのは2014年、まだコントをやってたとき、地元でライブをやって、基本ウケてるんですけど、ホームのわりには、あれ!? っていうウケ方で。悔しくて、アドリブで頭をおもいっきりブッ叩かれたら、東京ドームが沸いたぐらいの歓声と笑いが起こって(笑)」
石田「そのあと漫才に切り替えて、叩いたあとに、『そういえば○○だなぁ』ってゆっくりツッコむスタイルになっていきました」
この漫才スタイルを武器に、2015年のM-1では二回戦止まりだったカミナリは、翌年の2016年には決勝進出を果たす。
ちなみに、茨城弁は使っても「ご当地ネタは行わない」理由は、栃木県出身のコンビ「U字工事」との住み分けのためだと言う。