お笑い「天丼」の意味と由来
お笑い業界の専門用語に「天丼」という表現がある。
天丼とは、トークやネタのボケの際に、同じことをあえて二度、三度と繰り返すことで笑いを取るテクニックを意味する。
お笑い用語として天丼と言えば、同じギャグやボケを二度、三度と繰り返して笑いをとる手法のことを指す。
余り間を置かずに畳み掛けるように使ったり、他者のボケに乗っかる形で重ねる場合は、かぶせ(る)と称することもある。
言葉だけに限らず、特定の動作や身振り手振り等、ウケの取れるものならなんでも含む。
短時間のうちに連発することもあれば、相手が忘れた頃や別の話に切り替わった後に、突然前の話で面白かった部分を引っ張ってくるなど、手法は様々である。
天丼は、割と幅広く解釈ができ、随所に見られる技法だが、「天丼」という言葉自体は表舞台では滅多に使われず、それほど一般化された言葉でもない。
具体例としては、たとえばハナコのコント「天空龍」が挙げられる。
動画 : ハナコ「天空龍」
ハナコの「天空龍」では、カードゲームに熱中している二人(岡部と菊田)が、「天空龍」カードを乱発し、その荒唐無稽さに秋山がツッコミを入れる。
天空龍というカードのボケをかぶせながら、徐々にボケをエスカレートさせ、たたみかけていく。

このハナコのコントのようにネタで天丼が使われることもあれば、普段のトークで使われることもある。
一度目にダダスベリしているにもかかわらず、天丼を行なった場合、一度目が振りになって笑いが生じる場合もあれば、ドツボにはまってスベリ倒す場合もある。
ちなみに、なぜお笑いでネタやボケの繰り返しを天丼と呼ぶかと言うと、天丼に普通海老天が二本入っていることに由来する。