お笑い第七世代のメンバー一覧
同じ世代の若手芸人で集って新しい風を巻き起こそう、という一人の若手芸人の想いから広がっていった言葉「お笑い第七世代」。
この「お笑い第七世代」の由来を探ると、その生みの親は霜降り明星のせいやだ。
霜降り明星が、M-1グランプリで優勝したあとの大阪の深夜ラジオ『霜降り明星のだましうち』で、せいやが気分の高まりのあまり勢いで使ったのが、この「第七世代」という言葉だった。
ただ、このとき霜降り明星せいやの頭のなかに、特に「お笑い第七世代」の明確な区分けやメンバーが決まっていたわけでもなかった。
この「七」という数字も思いつきだったものの、「第七世代」という言葉だけが一人歩きをし、お笑い界を賑やかすことになる。
過去、お笑い芸人を世代で括る際に使われていた有名な言葉としては「お笑い第三世代」がある。
ダウンタウンやウッチャンナンチャンが世に出始めた1980年代後半頃に、彼らのような新しい世代の若手芸人と、すでに活躍している先輩芸人を分ける形で使われた「お笑い第三世代」。
お笑い第三世代という言葉が生まれたことから、後天的に、ドリフターズやコント55号が「第一世代」、タモリやビートたけしや明石家さんまが「第二世代」として分けられるようになる。
ところが、以降、「お笑い第四世代」や「お笑い第五世代」といった言葉は、一部で使われる以外一般的なものとはなっていない。
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それゆえ、せいやが提唱した「七」も、特に定義や由来はなく、適当に挙げた数字のようだ。
ラジオのなかでせいや自身、この「七」という数字の由来について、漫画『ナルト』の登場人物「七代目火影」が好きだったことなど、たまたま「七」という響きが気持ちよかったから、と語っている。
しかし、仮に当初は意味がなかったとしても、箱さえ用意されれば自然と形作られていくものだ。
徐々に「お笑い第七世代」とは一体誰か、どんなメンバーが入るか、といったことも固まっていった。
霜降り明星出演の静岡朝日テレビの番組では、「お笑い第七世代」以外の他の世代もざっくりと分けられたメンバー一覧が紹介されている。
以下、その一覧表を参考に、一部加筆した「お笑い◯◯世代」ごとのメンバー一覧である。
世代 | メンバー |
お笑い第一世代(演芸ブーム) | ザ・ドリフターズ、コント55号、桂三枝、林家三平、クレイジーキャッツ、中田ダイマルラケット、etc |
お笑い第二世代(MANZAIブーム) | ビートたけし、明石家さんま、タモリ、やすしきよし、B&B、紳助・竜助、ザ・ぼんち、etc |
お笑い第三世代(深夜番組ブーム) | とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、ホンジャマカ、ダチョウ倶楽部、etc |
お笑い第四世代(ボキャブラブーム) | ナインティナイン、ロンドンブーツ1号2号、ネプチューン、くりぃむしちゅー、さまぁ〜ず、雨上がり決死隊、etc |
お笑い第五世代(エンタ、笑金、レッドカーペット、M-1) | ブラックマヨネーズ、チュートリアル、タカアンドトシ、バナナマン、おぎやはぎ、劇団ひとり、サンドウィッチマン、etc |
お笑い第六世代(ピカルの定理、キングオブコント、M-1(2015〜)、THA MANZAI) | 千鳥、オードリー、ピース、ハライチ、平成ノブシコブシ、トレンディエンジェル、ウーマンラッシュアワー、かまいたち、etc |
お笑い第七世代(87年生まれ以降) | 霜降り明星、ハナコ、コロチキ、ゆりやんレトリィバァ、ミキ、四千頭身、カミナリ、宮下草薙、EXIT、納言、空気階段、かが屋、金属バット、ティモンディ、etc |
お笑い第七世代については、別の番組では「平成生まれ」という括りで紹介されている。
また、同じコンビのミキでも、兄の昴生は違い、亜生だけが第七世代だとせいや自身はラジオ番組にミキがゲスト出演した際、いじり交じりで語っている(昴生は1986年生まれ)。
その他、お笑い評論家のラリー遠田は、お笑い第七世代について、物心ついた頃からネットが近くにあったデジタルネイティブで、お笑い以外にも幅広い文化に興味を持ち、テレビのことも絶対視していないためYouTuberなどにも偏見が少ない傾向にある、と特徴を指摘している。
ライセンス井本は、M-1グランプリで霜降り明星が優勝した際、ダウンタウンの影響下から離れた世代の活躍だったと語り、「ダウンタウンの終わりを見た」と表現している。
一方、この「お笑い第七世代」という言葉に、有吉は「世代で勝手に括るな」と異論。確かに、世代からこぼれた芸人も多いかもしれない。
実際、アインシュタインの稲田は、「お笑い第七世代って言葉があるじゃないですか。あれめっちゃ嫌いなんですよ」「あの言葉があるせいで、それに入れていない僕たちが古いみたいな」とせいやに怒っている。
また、カミナリのまなぶも、「お笑い第七世代で括られると、霜降り明星がリーダーみたいで嫌ですけど(苦笑)」と複雑な心情を覗かせている。
いずれにせよ、「お笑い第七世代」が思った以上に大ごとになったことに誰より困惑しているのが、生みの親のせいやのようで、言い出しっぺであることは基本的に隠している。