霜降り明星粗品と絶対音感
多才なことで知られる若手お笑いコンビ霜降り明星のツッコミ担当の粗品。
粗品の才能の一つが「音楽」。粗品は2歳の頃からピアノを習い、絶対音感があることでも有名だ。
ただ、絶対音感があると言っても、「日常の音が音符で分かる」というわけではなく、たとえば「本質で笑っている声」「芸人が好きだから笑っているだけの声」といった様々な笑い声が聞き分けられる、といったもの。
どうやら、音への感受性が高い、ということのようである。
また、曲を聴いて楽譜にする、いわゆる「耳コピ」もできる。もしお笑い芸人になっていなかったら、オーケストラの指揮者になるのが粗品の夢だった。
実際、高校時代には周りの楽器ができる同級生を集め、アマチュアでオーケストラを結成。その際、粗品は指揮者を担当した。
画像 : テレビ東京『やりすぎ都市伝説』
これは、その当時粗品が耳コピして書いた葉加瀬太郎『情熱大陸』の楽譜。粗品の多才ぶりが伺える。
また、粗品の絶対音感を物語る上で欠かせないのが、『すべらない話』で披露された、亡くなった父とのハンドベルに関する感動のエピソードである。
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粗品の父親は、粗品が子供の頃から病弱で入院することも多く、粗品が高校生だった17歳の頃に他界している。
あるとき、父親が自宅で療養中、医師から家でしっかり水分をとるように指導を受けていた。「水ちょうだい」と声に出すのも辛かった父親は、水が必要なときは、パンパン、と二度手を叩いた。
しかし、こんな偉そうに家族を使うようなことはしたくないと打ち明ける父のために、粗品はハンドベルを購入した。
実は粗品だけでなく、粗品の母親も絶対音感の持ち主だったので、このハンドベルを鳴らし、「ド」なら水、「レ」ならお茶という風にしよう、となった。
音色によって、父親の後ろめたさを緩和しよう、という粗品のアイディアだった。
このハンドベル作戦は無事成功。その都度、水やお茶を持って粗品と母親は父親のもとに向かった。
ある冬のこと、ハンドベルの音色が、確かなメロディになって聴こえてきた。その日はクリスマスで、つたないメロディは『きよしこの夜』だった。
父は寝たまま、粗品に向かって「すまんなぁ、俺のせいで家族に迷惑をかけて、せっかくのクリスマスも台無しやなぁ」と涙を流しながら言い、粗品も思わず号泣しながら、そんなことないよ、と伝えたと言う。
すると、そこに母親が両手いっぱいの水分を持ってきた、というのが話のオチ。
レとラを無くしました pic.twitter.com/rMlp7Fa3Hs
— 粗品(霜降り明星) (@soshina3) 2019年7月4日
そのときのハンドベルは、「レ」と「ラ」以外大切に持っていると言う。