お笑い第七世代の特集雑誌『芸人芸人芸人』|感想・レビュー
若手お笑いコンビ霜降り明星のせいやさんがラジオで言い出したことによって一気に広がった「お笑い第七世代」。
お笑い第七世代とは、明確な区切りはないものの、今の20代を中心とした若手芸人をひとかたまりとし、新しいお笑いの時代をつくっていこう、という野心に溢れたフレーズ(本人はそんなつもりはなかったと火消しに必死)で、発信元である霜降り明星の二人を表紙に、お笑い第七世代の若手芸人を特集した雑誌のMOOKが、『芸人芸人芸人』です。
青い表紙に『芸人芸人芸人』というシンプルな題名で、書店でも結構目立っていました。
中身を見ると、お笑い第七世代と呼ばれる若手芸人たちのインタビューが、めちゃくちゃかっこいい写真と一緒に掲載。特にメインはM-1王者の霜降り明星と、キングオブコント王者のハナコ。
霜降り明星の二人のインタビューのあとに、ハナコのインタビュー、そしてお互いの印象を語る頁もあります。インタビュー自体、霜降り明星もハナコも面白く、興味深い内容、と言うより、普通に読んでいて笑える掛け合いでした。
特に好きだったのは、インタビュアーがハナコの菊田さんに、「お笑い第七世代のトップランナーとしての意識は?」と尋ね、菊田さんが「ないですね」と答えたあと、秋山さんが「彼はそもそも〈意識〉がないんです」と言うシーン。岡部さんも「生粋のサイドカー気質」と称していました。
その他、金属バット、ゆりやん、ミキ、EXIT、空気階段、かが屋など同世代でテレビ出演もしている今注目の若手芸人や、まだまだ無名の芸人たちのインタビューも載っています。
霜降り明星で始まり、巻末はかが屋。
雑誌の編集者の想いが詰まった一冊でした。個々のインタビューは薄味で、まんべんなく、という雰囲気ですが、“お笑いは「かっこいい」んだ”という編集の熱はじゅうぶん伝わり、その意志は写真の撮り方にも表れていました。
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また、コアな企画としては、それぞれの深夜ラジオで活躍している伝説のハガキ職人たちに「推しお笑い第七世代」を尋ねるといったアンケート結果も掲載。聞いたことがあるハガキ職人の名前もたくさんありました。
お笑い第七世代の概要をざっくりと知りたいひと、また各々の芸人のファンで写真集的な意味で見たいひとにはおすすめの一冊だと思います。